そもそも葉酸って何?
葉酸とは
葉酸(ようさん)はビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれる、1941年にホウレンソウの葉から発見された栄養素です。
栄養
成人男女の葉酸の栄養所要量は、推定平均必要量が200 μg(マイクログラム=1/1000グラム)、推奨量が240μg、上限量が1,000 μgとされています。ただし、妊娠期および授乳期にはさらに推定平均必要量が+170μg、推奨量が+200 μgとされています。
また、妊娠を計画している、あるいは妊娠の可能性のある女性は、一日あたり 400μg の摂取が望ましいとされています。
葉酸を多く含む食品は、レバー、緑黄色野菜、果物です。ただし、調理や長期間保存による酸化によって葉酸は壊れるため、新鮮な生野菜や果物が良い供給源となります。
なお、大量の飲酒は葉酸の吸収および代謝を妨げます。
欠乏症
葉酸の欠乏症は、妊娠や授乳による要求量の増加、小腸の病理的変化、アルコール中毒、メトトレキサートなどの薬剤投与によって引き起こされます。葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすいです。
症状は、貧血、免疫機能減衰、消化管機能異常などが見られます。また、心臓病や大腸ガン、子宮頸ガンのリスクがあるとの報告があります。
また、妊娠期に葉酸が欠乏すると、胎児に神経管閉鎖障害が起こり、重度の場合は死に至る。また、無脳児の発生のリスクが高まります。
貧血に関しては、葉酸は造血作用に対しビタミンB12と協調してはたらき、いずれのビタミンの欠乏も巨赤芽球性貧血を引き起こします。
神経管閉鎖障害に対しては、妊娠初期が重要で、特に通常まだ妊娠に気付かない第一週が最も葉酸を必要とする期間であると考えられています。
過剰症
過剰症はビタミンB12の欠乏を隠すため、悪性貧血が潜在化する危険性が指摘されています。
また、ガン治療に用いられる抗葉酸剤に対して、過剰な葉酸は薬効を低減させます。葉酸過敏症として、紅斑、発熱、蕁麻疹、かゆみ・呼吸障害などを起こすことがあります。
参考:ウィキペディア